« 古くからの知恵 | トップページ | どんなクリスマスですか? »

2006年12月23日 (土)

「硫黄島からの手紙」を観て来ました

Photo_20 -あらすじ-2006年の硫黄島。地中から発見された数百にものぼる手紙。61年前、島で戦った男達が家族に宛てたものだった。

1944年6月、戦況が悪化の一途をたどる時、栗林中将(渡辺謙)は硫黄島に降り立った。アメリカ留学経験を持ちアメリカとの戦いの厳しさを知る栗林は本土防衛の最後の砦と言うべき硫黄島の命運を託されていた。栗林は場当たり的な作戦を変更し、部下に対する理不尽な体罰を戒める。今までのどの司令官とも違う栗林との出会いは西郷(二宮和也)に希望を抱かせた。栗林のやり方は古参の将校達の反発を呼んだが、頼もしい理解者もいた。その一人が「バロン西」こと西竹一中佐(井原剛志)だった。灼熱の島で食べ物も飲み物も不足した過酷な状況で栗林の指揮のもと掘り進められる地下要塞。島中に張り巡らされたトンネルこそ、米軍を迎え撃つ栗林の秘策だった。

1945年2月16日から36日間、繰り広げられた日米の攻防戦。栗林は水際で敵を叩くのではなく地下要塞に立てこもって持久戦に持ち込む作戦を打ち出します。この方針は古参の幕僚達の激しい抵抗にあいます。それでも栗林は日本軍の伝統に反するこの方法で5日で終わるとされた戦いを36日間も戦い抜いたのです。栗林は無謀な万歳突撃を禁じ「苦しい死を生きよ。最後の一兵となっても戦いを止めるな」と言い、潔く死ぬ美学を自分にも部下にも許しませんでした。それは栗林が一兵たりとも無駄に死なせてはならぬと固く思っていたからです。日本本土を防衛する事で一般市民の大量な犠牲を避けるか、遅らせたかった栗林の目的を共有したのは本土に家族と思いを残してきた一般の兵士達でした。過酷な戦いを命じられるのを理解した兵士達だからこそ、歴戦の海兵隊員に「地獄の中の地獄」とまで呼ばせた戦場となり、歴史に残る死闘を演じたのだと思います。太平洋戦争末期の激戦であった硫黄島の戦いは太平洋戦争において米軍の死傷者数が日本軍のそれを上回った唯一の戦場だったそうです。

どれほどの尊い人命を奪い、敵対する人々を理解せずに殺し合う行為に走らせる戦争の恐ろしさを感じると絶対に戦争はするべきでないと思います。バロン西が負傷したアメリカ兵を助けるように命令を下した時に部下達はアメリカ兵を殺す事を進言しますが、バロン西は「お前はアメリカ人に会った事があるのか?」と聞き返し若いアメリカ兵の治療をします。日本の為に戦場に身を置く栗林もバロン西もアメリカを知っていたから複雑な心境だったと思います。そしてどちらも人命が尊いものだと知っていました。激戦地の硫黄島からは未だに日本の本土に帰れないたくさんの遺骨が眠っています。硫黄島の激戦を殆んど知らなかった世代ですが、この映画を見て硫黄島の過酷な環境に身をおいて戦った人々を知り、本土への強い思いを知ることが出来ました。ここで戦った誰もが本土に残した愛する家族の為に命を捧げたのだと思います。妻と子を思う父親、子煩悩な父親、残して来た親を思う息子・・・家族への愛情は劇中で西郷が栗林が家族に宛てた手紙の朗読からも滲み出てきます。

|

« 古くからの知恵 | トップページ | どんなクリスマスですか? »

「シネマ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

これで今年の映画仕舞いでしょうか?

今年は邦画が洋画を上回ったようですね。

私も今まで邦画は全くみませんでした。
でも今年は、みましたね~。

この映画も、お正月にみにいくことにします。

あ、鹿島勝ちましたね。
お正月に鹿島みられるといいですね。

投稿: tami | 2006年12月23日 (土) 23時23分

こんにちは!
私も、この映画は見に行きたいとおもっています。
戦争を知らない人が、戦争の重み・命の重みを少しでも考えるのはとても意味のあることだと思います。
*aprileさんの、文を読んでいるだけで涙がでそうになりました。

投稿: めめ | 2006年12月24日 (日) 10時51分

tami様
多分、この映画で今年の映画仕舞いだと思います。まだ見たい映画はあるんですけどね。
今年は邦画の当たり年でしたね。
元旦にアントラーズの姿が見たいと思っているわたしです。願いを叶えてアントラーズ。

投稿: *aprile | 2006年12月26日 (火) 21時58分

めめ様
考えさせられる映画です。戦争映画ですが、家族を愛した男達の映画です。
命の重さ・・・それが潔く散る武士道では無くて栗林の言う「一兵になっても戦いを止めるな」無駄死にをするなに込められています。
見に行って下さい。そして家族を愛した男達に涙して下さい。

投稿: *aprile | 2006年12月26日 (火) 22時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146448/13158705

この記事へのトラックバック一覧です: 「硫黄島からの手紙」を観て来ました:

» 映画「硫黄島からの手紙」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Red Sun, Black Sand (Letters From Iwo Jima) 硫黄島に眠っていた、その手紙は61年ぶりに発見された、地中にあった硫黄島からの手紙、それは輸送爆撃機「一式陸攻」によって配達されるはずだった・・ 時は1944年6月、指揮官として陸軍中将の栗林忠道(渡辺謙... [続きを読む]

受信: 2006年12月23日 (土) 19時43分

« 古くからの知恵 | トップページ | どんなクリスマスですか? »