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2007年7月19日 (木)

ジェイン・A・クレンツの「鏡のラビリンス」

Photo_32 わたしのお気に入りの作家、ジェイン・アン・クレンツの作品「鏡のラビリンス(原題:Smoke in Mirrors)」。クレンツの描き出す男性像は他の作家とは少し違う雰囲気を持っていてとても興味深いんです。

*あらすじ* 「レオ。これを読んでるってことは、わたしは死んだってことね」図書館司書のレオノーラの元に数日前に自動車事故で亡くなった親友のメレディスから届いた一通のメール。これまで厄介ごとを起こすたびにレオノーラに後始末を押し付けてきたメレディスは、死の間際に大学職員になりすまして大金を横領していた。美貌の詐欺師メレディスがレオノーラに残したものが自殺したある女性と古い殺人事件へと繋がるメッセージだった。メレディスが潜り込んでいた大学内のアンティークミラーが眠る館で臨時司書の職に就いたレオノーラは弟の為に同じ謎を追う男トーマスと共に危険な探偵家業に乗り出す。

クレンツといえば“シアトル”。それほどクレンツの作品ではお馴染みの舞台なんです。でも、今回の物語が繰り広げられるのは、シアトルから車で一時間半ほどの距離にある架空の町、カモメが翼を広げたような形の静かな入り江を持つウィング・コーブ。ウイング・コーブの街は天才的な数学者だったナサニエル・ユーバンクスが創立した大学の学生や大学関係者に支えられています。そのユーバンクス大学で横領を働き、デイク・ウォーカーに疑惑の目が向くように仕組んだメレディスと親しかったレオノーラはデイクの兄、トーマスから共犯者と疑われ横領した大金の返還を迫られます。メレディスの事故死に疑問を持っていたレオノーラはメレディスの遺品の中にある物を発見したことから事実究明に乗り出す決意を固めます。

後始末を押し付けるメレディスと尻拭いをするレオノーラは「昼と夜ほども違う」。そして二人の関係も簡単に親友と言い切れるようなものではなくとても複雑な背景を持っています。レオノーラをメレディスの共犯者と見ていたトーマスの第一印象はレオノーラの言葉を借りるなら次のように表現されます。「猛犬・・・相手を惑わす捕食者。標的をえり好みするのを好む、冷静なプロ。数々の辛苦を味わってきた人間の顔と、それに相応しい冷たい灰色の瞳」の男。「トーマス・ウォーカーを操れるのはトーマス・ウォーカーだけ」・・・どんな男性を想像しますか?実はこのトーマス、投資家として身を立てながらも本当に好きなのは家の改装。安い一軒家を購入して改装してから売却するのはトーマスにとって実益を兼ねた趣味のようなもの。トーマスは自宅に工具一式をそろえた作業場まで持っているんです。それに飼い犬の名前が「レンチ」・・・工具好きならではの名前です。レンチは強面な猛犬に見えるのですが、性格は優しく、遊び心を持つ大きな犬で作品の中でも魅力的な光彩を放っているんです。

クレンツの作品の中には日本の食品が出てきます。クレンツは食に関しては親日家?今までの作品の中にも蕎麦、豆腐、醤油、ワサビなんかが出てきました。今回の作品の中には冷凍枝豆とほうじ茶が出てきます。クレンツの作品の中に今度はどんな日本の食品が出てくるのか楽しみにしています。

頭脳派のレオノーラと肉体派のトーマスの組み合わせ。両極端の二人が織り成す恋の行方を楽しんで下さい。そして作品の中に登場する人々にもロマンスの兆しが・・・誰が誰と、いくつものカップルの恋の行方も楽しめます。

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コメント

*aprile さん

こんばんはー!

面白そうですね。

*aprile さんの読まれる本は
けっこうストーリーが興味深いです!!

>蕎麦、豆腐、醤油、ワサビ、冷凍枝豆とほうじ茶・・・

すごく日本通なんですね!!!

投稿: 「感動創造」 | 2007年7月19日 (木) 19時04分

こんばんは。

近頃、長編小説を読む時間がなかなかなくて・・・。
ついエッセイばかりになってしまいます。

お盆休みに、ゆっくり読んでみます。

投稿: tami | 2007年7月19日 (木) 22時59分

「感動創造」様
ストーリーが興味深いですか?
そんな風に考えた事無かったです(笑)
わたしが好きな本は面白いとかわたしがストーリーに惹かれたものが多いんです。
だからその作家が好きになるんです。
クレンツの作品の中にはフトンとかも出てきます。
本当に日本通なんです。

投稿: *aprile | 2007年7月20日 (金) 11時50分

tami様
長編小説は時間を取られますね。
毎日、少しずつでも読まないと前のストーリーを忘れてしまいますからね。
時間が取れた時にゆっくりと長編小説を読んで下さいね。

投稿: *aprile | 2007年7月20日 (金) 11時54分

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