« 庭に出たパンちゃん | トップページ | チューリップの球根 »

2007年9月10日 (月)

J・D・ロブの「汚れなき守護者の夏」

15 J・D・ロブの新作「汚れなき守護者の夏(原題:Purity in Death)」のご紹介です。イヴ&ロークシリーズの15作目です。

*あらすじ* 殺人的な暑さが続く7月のニューヨーク。子供達を食い物にしていた犯罪者達が次々と奇怪な死を遂げる。犯罪者達は自室に引き篭もり、数日後に突如、発狂したような行動に出て警官に射殺されたり、自殺したりした。その犯罪者の部屋に残されたコンピューターの画面には「完全清浄完了」という不可解な文字が浮かび上がっていた。解剖の結果、犯罪者達の脳が異様に肥大していた事が判明する。捜査を進めるイヴは最新テクノロジーを駆使して自らの手を汚さずに犯罪者達の人命を奪っている事を突き止める。姿なき殺人者を追うイヴの捜査が始まります。

イヴが引っ張り上げて部下にした若い巡査が突発的な暴力事件に巻き込まれ自分と生存者の命を守る為に発狂した犯人を殺してしまいます。高い理想を掲げた前途洋々な若い巡査が起こした絶命処置にイヴが母親のように悩む姿からイヴが仲間を優しく思い遣ることが出来る捜査官だとよく解るんです。今回はコップ・セントラルの中でも事件が起こってしまいます。その時、自分を訓練してくれた父親代わりともいえるフィーニーまで命の危険に晒されてしまいます。この時、仲間の命を助ける為にイヴは丸腰で犯人と渡り合う事までしてしまいます。今回の事件に深く関わってくるのがコンピューター。どんなに凶暴な犯人でも怯まないイヴもコンピューターだけはお手上げ状態。そんなイヴを助けるのが夫のローク、フィーニー、マクナブそして以前の事件で関わりを持った天才。徐々に解き明かされる事件の真相。

この作品の中でイヴは「家族(ファミリー)」とはどういうものかを知ります。ロークもイヴも家族とは縁の無い子供時代を送っています。ロークはファミリーがどんなものかを知っていますが、イヴはファミリーがどんなものかを知りません。「みんなが誰かと話しながら、賑やかにごちゃごちゃと食事をし、それが思いがけないほど気にさわらない。くだらないジョークに気楽なけなしあい(本分抜粋)」が家族のすることだとイヴは気付きます。イヴは「正当な手続きなしに裁く側に立ったり、死刑執行人の頭巾をかぶる権利は誰にもない」という考えの持ち主。でもロークはもう少し柔軟な考え方をします。ロークは「僕は君ほど今言った法律の条文(正当な手続きなしに裁く側に立ったり、死刑執行人の頭巾をかぶる権利は誰にもない)を好きになれないことがある」とはっきりと言います。人それぞれの正義に対する見解の違いは何処にでも存在しているように思います。社会のシステムで罰しきれない犯罪者の存在は現在にも不穏な影を落としているのではないでしょうか?法制のシステムで守られている犯罪者の権利にわたし達は苛立ちを覚える事もあります。今回は色々な事を考えさせられました。

|

« 庭に出たパンちゃん | トップページ | チューリップの球根 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

*aprile さん

こんばんは。

今は被害者の人権よりも、加害者の人権が守られるおかしな世の中ですよね。

なんとも不条理だなぁ・・・と思う事件、事故が多すぎますよね。

投稿: 「感動創造」 | 2007年9月10日 (月) 22時31分

こんばんは。

うわ~もう早速「読書の秋」ですね。

*aprileさんは、本は日中読まれます?
一気に読んでしまうほうですか?

秋の夜長のはじまり~はじまり~!!!

私も、何か読みはじめることにします。

投稿: tami | 2007年9月10日 (月) 22時46分

「感動創造」様
人それぞれの正義の定義ってあると思いますが、今の世では加害者の人権が重視されているおかしな現象が起きています。
本当に不条理な事が多いです。
法の下の正義が決して行われていないと感じるのはイヴやローク、わたし達も同じですね。

投稿: *aprile | 2007年9月11日 (火) 11時46分

tami様
わたしが本を読む時間は寝る前が多いかな。
後は土日の朝、マーブルの散歩に行かなくていい時間に読みます。
日中にはあまり読む時間を取れません。
一気に読んでしまいたいのですが、それだと何も出来なくなります(笑)
少しずつゆっくりと読みます。

投稿: *aprile | 2007年9月11日 (火) 11時50分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146448/16402933

この記事へのトラックバック一覧です: J・D・ロブの「汚れなき守護者の夏」:

« 庭に出たパンちゃん | トップページ | チューリップの球根 »