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2008年1月22日 (火)

ビバリー・バートン「忍び寄る永遠」

Photo ビバリー・バートンの「甘美すぎた誘惑」に登場した刑事ジム・ノートンを主人公にした作品「忍び寄る永遠(原題:Close enough to kill)」

*あらすじ* アダムス郡の女性保安官バーニー・グレンジャーは行方不明になった新婚5ヶ月の若い女性を不眠不休で捜索していた。失踪した女性はバーニーの知り合いの保安官の姪だった。疲れ果てたバーニーだったが、明日は新しい部下が来るから早くに出勤しなければならなかった。新しい部下の名前はジム・ノートン。ジムはバーニーが幼い胸を焦がした大学フットボールのスター選手だった。ジムがメンフィスの警察の警部補から格下で年収も下がる片田舎のアダムス・ランディングの主任副保安官の職を選んだのは息子の近くに住みたかったからだ。次の朝、ジムを一目見たバーニーは相変わらずハンサムで魅力的なことに気付いた。バーニーが捜索していた若い女性が全裸死体で発見され二人は静かな街を恐怖に陥れる連続殺人事件の捜査に乗り出す。

大学フットボールのスター選手だったジム・ノートンは両膝を痛めてフットボールを諦めて刑事になったが、自分のせいで同僚が殺され、家庭を顧みなかった彼は夫婦のベッドで他の男と一緒の妻を見つけ家庭は崩壊、前途洋洋だったキャリアは頓挫、離婚後、別れて暮らす一人息子との関係も上手くいかない。そのジムの上司となる女性バーナデット・グレンジャーも年若くして結婚したが、2回の流産の後に夫の裏切りを知って離婚の経験を持っている。バーニーの家は代々保安官を出している家系。バーニーの父、R・Bも保安官で今でもグレンジャー保安官と言えばバーニーではなく父を指して言われることが多いとバーニーは苦笑する。男の子が生まれなかったからバーニーは父の為に保安官になった。新しく主任副保安官になったジムに惹かれるバーニー。ジムは「いい友達」とバーニーを見ていた。バーニーは親友のままでもジムと一緒に事件を追える事が嬉しかった。

未だに保安官から抜け出せないバーニーの父。バーニーとロビン(バーニーの妹)を結婚させて孫が欲しいと思うバーニーの母。そんな母を嘆かせる二人の娘。バーニーは男性とデートする事も無く仕事一筋。反対にロビンは美貌を振りかざして一人の男性で満足出来ず遊び歩いている。ジムは一人息子の扱い方が判らない。ケビンは母親から聞かされた父の事を鵜呑みにしている。こんな登場人物が物語を深いものにしている。親子の関係。姉妹の関係。恋愛模様も様々。不気味な殺人事件がやがて猟奇的な連続殺人事件に発展する中で男として父として後悔ばかりの過去を振り切るチャンスをジムは手にする。

信じるものに裏切られる事がどれ程、人をどん底に叩き落とし絶望と取って代わるかを上手く描写している。原題である「CLOSE ENOUGH TO KILL」を「ここまで近付けば殺せる」と訳す事も出来るそうだ。これは犯人目線で見ている訳し方だとか。犯人がどうやって誰にも怪しまれずに被害者達に“ここまで”近付いたのかが、読み進むうちに判って来る。最後に「やられたー!」って思うこと間違いなし。

わたしにとってもこのシリーズは「キープ本」です。何度でも読み返したい本の一つになりそうです。次作のビバリーの作品は「甘美すぎた誘惑」で登場したリッチで慇懃な弁護士ジャッド・ウォーカーだそうです。これも楽しみ。わたしは高級探偵事務所を率いるグリフィン・パウエルも気になっています。次の作品を待つ楽しみが増えました(笑)

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コメント

*aprile さん

こんばんは。

信じている人に裏切られるほど
辛いことはないですよね。

なるほど、すごい展開なんですね!!

それにしても寒いっす。

それに株価はもっと寒いですね・・・・
これから世界大恐慌なんてことになりかねない危険な状態かと思います・・・・

どうなりますか。

投稿: 「感動創造」 | 2008年1月22日 (火) 19時01分

「感動創造」様
東京は雪が降ると言ってました。
冬ですものね。
でも、今までが暖かかったから寒さが身に染みますね(笑)
株価も世界同時株安ですね。
新興国の株価も暴落しているし・・・本当に寒いです。
米国が緊急利下げしましたが、これでどれ程の効果が出るのか。
景気が後退しそうですね。

投稿: *aprile | 2008年1月23日 (水) 10時05分

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