2008年1月22日 (火)

ビバリー・バートン「忍び寄る永遠」

Photo ビバリー・バートンの「甘美すぎた誘惑」に登場した刑事ジム・ノートンを主人公にした作品「忍び寄る永遠(原題:Close enough to kill)」

*あらすじ* アダムス郡の女性保安官バーニー・グレンジャーは行方不明になった新婚5ヶ月の若い女性を不眠不休で捜索していた。失踪した女性はバーニーの知り合いの保安官の姪だった。疲れ果てたバーニーだったが、明日は新しい部下が来るから早くに出勤しなければならなかった。新しい部下の名前はジム・ノートン。ジムはバーニーが幼い胸を焦がした大学フットボールのスター選手だった。ジムがメンフィスの警察の警部補から格下で年収も下がる片田舎のアダムス・ランディングの主任副保安官の職を選んだのは息子の近くに住みたかったからだ。次の朝、ジムを一目見たバーニーは相変わらずハンサムで魅力的なことに気付いた。バーニーが捜索していた若い女性が全裸死体で発見され二人は静かな街を恐怖に陥れる連続殺人事件の捜査に乗り出す。

大学フットボールのスター選手だったジム・ノートンは両膝を痛めてフットボールを諦めて刑事になったが、自分のせいで同僚が殺され、家庭を顧みなかった彼は夫婦のベッドで他の男と一緒の妻を見つけ家庭は崩壊、前途洋洋だったキャリアは頓挫、離婚後、別れて暮らす一人息子との関係も上手くいかない。そのジムの上司となる女性バーナデット・グレンジャーも年若くして結婚したが、2回の流産の後に夫の裏切りを知って離婚の経験を持っている。バーニーの家は代々保安官を出している家系。バーニーの父、R・Bも保安官で今でもグレンジャー保安官と言えばバーニーではなく父を指して言われることが多いとバーニーは苦笑する。男の子が生まれなかったからバーニーは父の為に保安官になった。新しく主任副保安官になったジムに惹かれるバーニー。ジムは「いい友達」とバーニーを見ていた。バーニーは親友のままでもジムと一緒に事件を追える事が嬉しかった。

未だに保安官から抜け出せないバーニーの父。バーニーとロビン(バーニーの妹)を結婚させて孫が欲しいと思うバーニーの母。そんな母を嘆かせる二人の娘。バーニーは男性とデートする事も無く仕事一筋。反対にロビンは美貌を振りかざして一人の男性で満足出来ず遊び歩いている。ジムは一人息子の扱い方が判らない。ケビンは母親から聞かされた父の事を鵜呑みにしている。こんな登場人物が物語を深いものにしている。親子の関係。姉妹の関係。恋愛模様も様々。不気味な殺人事件がやがて猟奇的な連続殺人事件に発展する中で男として父として後悔ばかりの過去を振り切るチャンスをジムは手にする。

信じるものに裏切られる事がどれ程、人をどん底に叩き落とし絶望と取って代わるかを上手く描写している。原題である「CLOSE ENOUGH TO KILL」を「ここまで近付けば殺せる」と訳す事も出来るそうだ。これは犯人目線で見ている訳し方だとか。犯人がどうやって誰にも怪しまれずに被害者達に“ここまで”近付いたのかが、読み進むうちに判って来る。最後に「やられたー!」って思うこと間違いなし。

わたしにとってもこのシリーズは「キープ本」です。何度でも読み返したい本の一つになりそうです。次作のビバリーの作品は「甘美すぎた誘惑」で登場したリッチで慇懃な弁護士ジャッド・ウォーカーだそうです。これも楽しみ。わたしは高級探偵事務所を率いるグリフィン・パウエルも気になっています。次の作品を待つ楽しみが増えました(笑)

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2008年1月12日 (土)

ジェイン・A・クレンツの「運命のいたずら」

Photo お気に入りの作家の一人、クレンツの「運命のいたずら」(原題:Twist of Fate)は彼女の初期の作品です。

*あらすじ* ハナ・ジェシットは大学で学生の適正を見抜いて各人に合った進路指導を仕事にしていた。この仕事が気に入っていて自信もあったハナは弟の会社を乗っ取ろうとしていた凄腕の投資家ギデオン・ケージに初対面の席で「あなたの生き方は間違っている」と忠告してしまう。そんなハナに無関心で居られなくなったギデオンはハナを追いかけ始める。高名な人類学者を伯母の遺品を整理するためにハナはカリブの孤島サンタ・アイネズに旅立とうとしていた時、空港でハナはギデオンに呼び止められる。何故かギデオンはハナの旅に同行したいと言い始めた。

進路指導カウンセラーという専門職に就いていて立派に自活しているハナは旧来の結婚観に縛られない女性。高名な人類学者であった伯母の故エリザベス・ノード女史の非常なまでの自己表現の道に憧れを抱き結婚という進路に踏み切れなかった。ギデオンは仕事の成功がすべてである勝負師のような人生を送ってきたが、ハナを追ってアリゾナ州ツーソンとワシントン州シアトル間を行き来し、さらには広大なアメリカを縦断してカリブの島へと飛び回る羽目に陥ってしまう。ギデオンはいつも軍服風のいでたちで自立心旺盛なハナを男を必要としないアマゾン族の女になぞらえていた。ハナは惹かれ合うギデオンと結婚という関係を結ぶのを躊躇っていた。それはギデオンのような個性の強い男性と結婚すれば自分を見失ってしまうのではないかという懸念があったからだ。

出会ってすぐにギデオンに忠告をしたハナ。そして弟の会社を救いたい為に勝負師のようなギデオン相手にカードゲームでイカサマまでしてしまう。そんなハナに強い興味を引かれたギデオン。そしてハナも個性の強いギデオンに多大な関心を寄せていた。楽園のようなカリブの孤島は二人の間にあった情熱に火をつけて燃え上がらせる。情熱を分かち合ってもハナは今後の生き方に迷っていた。伯母のように生きたいとも思うハナが伯母の遺品を持ち帰ってからハナの周りで不審な事が起き始める。

強いハナが迷う姿は誰にでも有るのかもしれない。仕事を持つ女性が結婚に踏み切れないでいるのはハナのように誰もが結婚に迷うからだと思う。結婚で自分は何を無くすのだろうか、何を得るのだろうかと考えるハナ。非婚女性が増える今日、ハナの迷いに共感出来る事が多いと思う。わたしにとっては結婚って正解だった気がする(笑)

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2008年1月10日 (木)

お気に入り追加

Photo ちょっと気になる作家の作品を読んでみました。これが以外に面白くてお気に入りの作家に追加です。作者の名前はテス・ジェリッツェン。彼女は内科医として働く傍ら育児休暇中に小説を書き始め、緻密な描写の医療サスペンスを多数発表しているそうです。

「真夜中に電話が鳴って」(原題:Call after Midnight)はテスのデビュー作です。

*あらすじ* 夫ジェフリーの死を告げる一本の電話からセイラの人生は狂い始める。セイラは結婚した相手の名前を知らなかった。信頼していた夫ジェフリーが名前も仕事も偽ったスパイだったと知った時、セイラの愛は幻と消えた。しかし、セイラは夫の死に疑問を抱くようになる。夫は生きているかもしれない。夫ジェフリーを探し出して真相を知らなければ前に進めない。セイラは夫の死を知らせてくれた国務省のニック・オハラと共にジェフリーの行方を追う。優しく包み込んでくれるニックにセイラも心を許すようになるが二人はセイラを追う組織とCIAの駆け引きの中で翻弄される。

セイラは国立衛生研究所に勤務する生物学者。彼女の世界は夫ジェフリーとミクロの世界が全て。窓の無い研究室で顕微鏡に向っているのが好きだったのに夫の死を知ってからはそこが息苦しくなっていた。結婚した相手の全てが偽りだったと判ると今まで彼に対する愛まで偽物だったようだと苦しむセイラ。こんなセイラと行動を共にするニックは正直すぎて外交官には向かないタイプ。思ったことを口にしたり同情心から関わらなくていい問題にまで関わってしまう。二人がジェフリーを追うのと同時にある組織がセイラを追い始める。そしてそこにCIAまで絡んでくる。

この本を読んでいて「本当に自分の夫の事を知っているのかな?」と思ってしまいました。全てを知るのは無理でしょうが、ある程度は知っているつもり(笑)もしかしたらわたしもセイラと一緒で夫の事を本当は何にも知らないのかもしれません。本の中でも離婚したニックが「妻の事を本当に知ったのは離婚してからだった」とか「二度の離婚で悟ったんだ」っていう件は男も女も相手を知ろうと努力するけれどそれがいつも報われる訳ではないと言っているみたいでした。男と女って難しいですね。

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2007年11月21日 (水)

ビバリー・バートンの「甘美すぎた誘惑」

Photo_2  ビバリー・バートンのMIRA文庫デビュー作「甘美すぎた誘惑(原題:Killing her softly)」のご紹介です。ハーレクインからたくさんの作品を出している彼女の長編文庫がいよいよ登場しました。

*あらすじ* 大企業会長の叔父を支える富豪令嬢アナベル・バンダーレイの元に従姉妹のルルが殺害されたという悲報が届く。真相解明の為に現地に赴いたアナベルは報道陣に取り囲まれ、心無い質問を浴びせられる。記者の一団を前に途方に暮れていたアナベルは長身でたくましい男に助け出される。男の名はクイン・コルテス。“ラテンの恋人”の異名を持つプレイボーイ。彼は国内でも指折りの評判をとる刑事弁護士でルルの恋人。そして従姉妹殺しの第一容疑者だった。「惹かれてはいけない」という思いを抱きながらもアナベルはクインの熱い眼差しに心が揺れる。

ルルはリッチなブロンド美人。熱い情事だけで満足していたルルがクイン・コルテスに罠をかけようとしている。その為の準備は万端。小悪魔の微笑みと黒いテディだけでクインを待つルルが殺された。ルルの死体を発見したのがクイン。そして第一発見者のクインが第一容疑者とされた・・・・奔放なセレブのルルの死をキッカケに連続殺人が始まります。それもクインを取り巻く女性ばかりが殺され、クインにはアリバイがないんです。警察は有名人の関わる事件に色めき立ちます。上昇志向の強い若い刑事チャドはどうしてもクインを犯人にしたい一人。だが、相棒のジムは何故かクインが犯人だとは思えない一人。そしてクインに惹かれるアナベルも心のもっと奥の部分で「クインが犯人ではない」と感じている一人です。クインの容疑は話が進むほど濃くなっていきます。そして事件は思いも寄らない方向に進み始めます。

長年、婚約者を思い遣って過ごしたアナベルと女とは熱い情熱だけ何の約束も束縛もなく楽しむ存在を決めているクインが惹かれ合う様が面白いです。アナベルとクインは正反対。クインにとってアナベルは「これほど女性を欲しいと望んだ事がない」と感じさせる女性です。ここに若い刑事チャドが絡んできます。この若い刑事チャドは誰もが結婚相手に相応しいと思うタイプとアナベルは言います。でも、アナベルの気持ちは・・・揺れ動く気持ちがあるのに何か判らないがハッキリした物を感じる。こんな言いようの無い気分になったことはありませんか?そして何かのキッカケで形を現すもの。

この作品に出てくるジム・ノートン刑事、私立探偵のグリフィン・パウエル、弁護士のジャッド・ウォーカーを主人公にした作品を書く予定だそうです。今月、ジム・ノートンを主人公にした作品「忍び寄る永遠(原題:Close enough to kill)」がMIRA文庫より発売されています。

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2007年11月20日 (火)

格付けの星

今日も空は冬空。雨が降ったり止んだりの天気だけど昨日ほどは寒くありません。ストーブ出しました!darlingが単一乾電池を買って来てくれたから昨夜はストーブに火を入れて暖かまったり過ごしました。冬の夜の過ごし方は暖かでまったりが一番!(笑)

ミシュランガイドって欧米では有名ですよね。ミシュランって言えばタイヤのお化けみたいなマスコットが頭に浮かぶんだけど・・・(笑)車で行けるレストラン、ホテルを格付けして載せているガイドブックです。欧米のガイドブックは星無しも掲載されているそうです。星無しに始まり、一つ星、二つ星、三ツ星。その東京版が昨日、発表されたんですね。

東京新聞のニュース記事によると『東京版には星を獲得した150店のみが掲載された。60%以上を日本料理が占めている。2つ星は25店、1つ星は117店。東京で開かれた記者会見で、同ガイドの総責任者ジャンリュック・ナレさんは「1年間調査し、質の高さに驚きの連続だった。東京は世界に輝く美食の都市と証明された」』

東京には三ツ星8店ですか。東京はパリよりを上回って「世界で最も星付きレストランの多い都市」だったんですね。美食の都市・・・そうだったんだ。その中で六割が日本料理店を占めているんですね。東京に行ったらそんなお店で食事をしてみたいものです(笑)実はわたし、三ツ星に輝いた「ジョエル・ロブション」のパンが大好きなんです。ここのパン、お値段は高いけどそれだけの美味しさが有ります。それにここのドレッシングでサラダを食べるといつも以上に野菜が食べられます。今度は恵比寿ガーデンプレイスのお店に行って食事をしたいと思っています。う~ん、今から楽しみ。でも、今度、東京に行くのはいつかな???ロブションが気になる方、上の色が変わった所を今すぐクリック。

Marble_071108_1 「眠い~ZZZ」

☆今日のマーブル☆ 眠いんだけど、誰かが忙しそうにしていると気になって眠れないマーブルです。「また、どこかに出かけるのかな?」と目を光らせている。一人でお留守番が出来ない訳じゃないんです。甘えん坊だから一人は寂しいんです。大丈夫、今はまだ、どこにも行かないから(笑)

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2007年11月15日 (木)

リサ・マリー・ライスの「真夜中の男」

Photo_2 初めて読んだリサ・マリー・ライスの作品「真夜中の男(原題:Midnight Man) 」をご紹介します。

*あらすじ*美貌のインテリア・デザイナー、スザンヌ・バロンのもとに現れた警備会社社長のジョン・ハンティントンは危険な香りをまとっていた。ジョンは「ミッドナイト・マン」の異名を持つ元海軍特殊部隊SEALの隊員だった。出会ったその日から二人は強く惹かれ合う。危険な香りを高級なスーツの下に隠してスザンヌに言い寄るジョン。そして二人は燃え上がる情熱の中に身を委ねた。スザンヌの周辺にプロの殺し屋達の影が・・・愛するスザンヌを守る為、全てを投げ打って立ち上がったジョン。二人きりの逃避行が始まる。

何となく手に取った一冊。構えずにサラッと読もうと思って買った本に嵌りました(笑)ここに出てくるジョンはSEALの元隊員。鍛え上げられた肉体は大きくてマッチョなんです。そのジョンに対比させるようにスザンヌは華奢な女性。そのスザンヌ自身と彼女がデザインした部屋を一目で気に入ったジョンは一気にスザンヌに攻勢をかけて部屋の賃貸契約をものにするんです。いきなりこんな男性が自分の前に現れたら・・・やっぱりスザンヌと同じで緊張してしまうでしょうね。でも、男と女が惹かれ合うのは理屈じゃない。何か目に見えないものが介在する気がします。

海軍特殊部隊SEALとはSEa(海)、ir(空)、and(陸)の略だそうです。このSEALは陸海空すべての戦いに秀でた肉体と頭脳を持つアメリカ軍でも超エリート集団なんですって。この特殊任務の事がイラク戦争の時にも一部報道されていました。そんなジョンがスザンヌを命がけで守ろうとします。

この作品はエロチックでもあります。描写がとても素直だとわたしは思うんです。男と女の関係がみんなプラトニックな訳じゃないでしょう?男と女の間に存在する燃え上がる情熱を上手に描いていると思います。う~ん、こんな作品が好きじゃない人もいるでしょうが、気持ちを燃え立たせてくれるドキドキさせてくれること間違い無しです。エロチックな作品が嫌いじゃないわたしはもう夢中で読み切ってしまいました(笑)

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2007年10月13日 (土)

ヘザー・グレアムの「四世紀の恋人」

Photo 読書の秋にヘザー・グレアム「四世紀の恋人(原題:A Season of Miracles)」のご紹介です。最近はわたしのお気に入りの作家の作品をローテーションでご紹介しています。

*あらすじ* プロローグは四世紀前のクリスマス。魔女の汚名を着せられた女性が“助けに来ると誓った”夫を待ちながら火刑台で若い命を落とした。時は流れて現在。ジリアンは祖父の経営するルウェリン・エンタープライゼズで今をときめくデザイナーとして活躍している。祖父は最近、いとこの同窓のロバートを重役として会社に招き入れた。ハロウィンの夜、ジリアンはパーティーで占い師に奇妙な警告を受ける。以来、ジリアンは火事で体を焼かれる夢を見るようになった。そして相次ぐ不審な事故が起こる。

今回のヘザーの作品はハロウィンからクリスマスまでを描いています。アメリカ人がイメージするクリスマスとは“雪に埋もれたクリスマス-本物の火が燃える暖炉が部屋を明るい色に染め、窓の外には一面の雪景色が広がっている”だそうです。そしてニューヨークのロックフェラー・センターのクリスマスツリーをニュースで見なければクリスマスを迎える事はまずない・・・そうです。

ジリアンは毎年、森と野原が雪に閉ざされるコネティカットの屋敷でクリスマスを過ごしています。ジリアンは早くに両親を亡くし祖父と一緒に暮らすという深窓の令嬢。だが、現代を生きる深窓の令嬢は大富豪の孫として祖父の経営する会社で仕事を持っているんです。そして一年前には夫を亡くし未亡人になりました。

時を越えた愛を書きたかったヘザー。だからこそ時間を超えた愛と奇跡、超自然的な現象が物語を深めています。オカルト的な部分もありますが、超常現象を信じない人でも無理なく読める本になっています。ジリアンとロバートのお互いに感じる不思議な感覚やジリアンの亡くなった夫マイロの出現が過去を彷彿とさせる場面もたくさんあるんです。クリスマスの奇跡を信じるように目に見えないものを信じさせる何かがこの世の中にある、と感じさせる物語です。時空を超えて出会った瞬間に感じる懐かしさ・・・そして二人の間に燃え上がる情熱。こんなにも愛されたなら女として本望かな(笑)

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2007年10月 5日 (金)

大好きな漫画-岳⑤

天気が続いているから今の内に大きなもの・・・シーツや掛け布団カバーを洗濯しました。天気が悪くなるという予報が出ているから天気が崩れる前に綺麗にしておきたかったんです。明日からはお花の事で手一杯だから。

5 わたしの大好きな漫画「岳(ガク)⑤」が発売になりました。山の魅力って何だと思いますか?わたしは登山をしませんから山の本当の魅力というものを知りません。でも、“岳(ガク)”の主人公、島崎三歩が山の魅力と怖さを教えてくれています。

今回も色々な三歩君が見られます。島崎三歩が救助士になった経緯や左頬の傷がどうして出来たのかも分かります。そして長野県警山岳救助隊員の久美ちゃんの葛藤も。山岳救助に携わる時、直面する人の死をどう捉えて消化するか。

「山はシンプルでいい」と言われてムッとする久美ちゃん。久美ちゃんは山で頑張ってるのに同期の警察官達に「街は殺人、強盗・・・事件には救いがない」と言われ「山は遊び場、レジャーランド」だと言われてしまいます。山で事故に遭う人の動機は「山に行きたい」。三歩自身も「遭難現場に行くと山を登りに、遊びに来たのにな」と思うと久美ちゃんに言っています。そう、誰も死のうと思って山に登るんじゃない。だから三歩は遭難した誰に対しても(死者に対しても)「よく頑張ったね」と言うんだと思います。

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2007年9月24日 (月)

リンダ・ハワードの「夜を抱きしめて」

Photo_2 わたしにとって最近は「読書の秋」が継続しています。今回はリンダ・ハワードの「夜を抱きしめて(原題:Cover of night)」。

*あらすじ*アイダホ州ビタールート山脈の奥地にある平和な僻村トレイル・ストップでケイト・ナイチンゲールは小さなB&B(bed&breakfast)を営んでいた。ケイトは3年前に夫を亡くし29歳で未亡人になり生後9ヶ月の双子の男の子を育てる為にシアトルに住み続ける事を断念し、トレイル・ストップに移り住んだ。そんなケイトのB&Bに宿泊していた一人の客が荷物を残したまま行方が分からなくなった。その男が失踪してから数日後、武装した怪しい男達がやって来た。男達が失踪した男の荷物を奪い取りトレイル・ストップを去った。その後、事態は思いがけない方向に進み始める。

今回の舞台は僻村。都会で働きながら子供達を育てるのは大変なことだとシアトルに住むのを諦めたケイトが選んだ場所がトレイル・ストップ。携帯電話も繋がらない、高速インターネットを利用する事も出来ない、テレビは衛生放送のみで雪に妨げられて受信状態も悪い、近くに大型スーパーもなければ郵便局すらない、食料品の買出しには片道1時間かかる・・・そんな場所にケイトは双子の男の子と住んでいます。不便な所だけど手付かずの自然が残っていて子供達といつも一緒にいられて、子供達を安心して表で遊ばせられるんです。そしてこの地は若くして亡くなった夫とロッククライミングをするために何度も訪れた思い出の場所。

このトレイル・ストップの住人達は中年以上の人が多く、ケイトと同世代の住人は一組の夫婦と便利屋をしている内気な男性だけ。ケイトは夫の死を乗り越えようと双子の男の子の子育てとB&Bの切り盛りを一生懸命にこなしていました。そしてよそ者を寄せ付けない僻村にもマフィンやスコーンを提供する事で溶け込む事が出来ました。ケイトの双子の男の子、タッカーとタナーは便利屋ミスター・ハリスことカルの道具箱に夢中なんです。古い家をB&Bにした為に何処かしら修繕が必要になるとミスター・ハリスを呼びます。ミスター・ハリスを見つけると双子達は道具箱めがけて飛んでいきます。子供とは気長に相手をしてくれるが、ケイトの前では真っ赤になってまともに口をきけなくなる、それがケイトのミスター・ハリスに対する印象でした。そんなケイトの周りには村の便利屋のカルをはじめ、飼料店を経営する元修道女のニーナや元軍人で狩猟ガイドのジョシュアなどユニークな経歴の持ち主がいます。村が危機的な状態に陥った時、カルの本来の姿を目にしたケイトは村の人々の事を理解していなかったのだと気付かされます。ケイトとカル。そして思いもかけないカップルがもう一組出来上がります。

アメリカ北西部に位置するアイダホ州は北はカナダと接していて、主要産業は農業と観光と鉱業。アイダホ=ジャガイモと思い浮かべるのはアメリカ人も同じようです。アイダホは手付かずの自然が残っているから山登り、スキー、カヤック、釣り、ラフティング、乗馬、ゴルフ、マウンテンバイク等のアウトドア・スポーツが思い切り楽しめるそうです。大自然の懐に抱かれた所なんですね。本文の中にも「9月の半ば頃から雪が降り始める時もある」と書かれていました。と言う事はスキーシーズンはとても長いですね。そんな所で一冬を過ごしてみるのもいいかもしれません。

お彼岸も過ぎて明日は中秋の名月。皆さんの秋はどんな秋になりそうですか?お気に入りの本や読んでみたかった本をお供に秋の夜長を過ごしてみるのもいいと思いませんか?

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2007年9月18日 (火)

ヘザー・グレアムの「ハリケーン・ベイ」

Photo_2 20年ほどの間に多岐にわたる時代、場所を背景にした小説を書いているヘザー・グレアム。15ヶ国語に翻訳され総発行部数は2000万冊を超える超人気作家。今回は彼女の「ハリケーン・ベイ(原題:Hurricane Bay) 」をご紹介します。

*あらすじ* 美しい自然に囲まれたフロリダの街を連続殺人事件が震撼させた。ネクタイで絞殺された2体の腐乱死体が水路から見つかった。マイアミの広告会社で働くケルシーは幼馴染のシーラに会う為に休暇を取ってキーラーゴに赴くが、そこにシーラの姿は無かった。シーラの身を案じたケルシーはシーラを必ず探し出すと決心するが、幼馴染の誰が自由奔放で素行の悪い彼女の行方を気にもかけていなかった。一人でシーラの行方を捜し始めてからケルシーの周囲で不穏な出来事が起こり始める。そして知られざるシーラの悲しい過去をケルシーは知る事になった。

マイアミの南から南西に連なって伸びている約50の島々からなるフロリダキーズ。その中で一番本島よりにある島キーラーゴがケルシーの故郷です。ケルシーは亡くなった最愛の兄を思い出させる故郷キーラーゴから逃げ出しマイアミで仕事を見つけ住んでいます。幼馴染のシーラに懇願されて戻った故郷キーラーゴは心に染みる美しさを感じさせ、嫌な思い出を時が癒してくれていました。

作者はサスペンスを縦糸に、久し振りに再会した数人の幼馴染との間の愛情や友情を横糸として作品を作り上げています。登場人物は故郷キーラーゴに居た時からケルシーが知っている人ばかりで、幼馴染の中にはケルシーの元夫、広告会社で一緒に働いている同僚でシーラの元夫、雑貨店の女性経営者、キューバから亡命して来て今はチャーター船会社の経営者、兄の親友、麻薬の売人と様々です。こんな登場人物が繰り広げる友情と複雑に見えて単純な愛情が今回の動機となっています。

フロリダやマイアミの街を舞台にしているサスペンスって多いんです。だからなのでしょうか、最近はフロリダやマイアミに行って見たいな~と思う事が有ります。あの辺りは巨大なハリケーンに襲われる事もありますが、ヘザーが描写している日の出や暮色迫る風景は見てみたいと思います。この作品の中では美しい海と珊瑚礁も出てきます。本書には「観光客がやるような事をやるのよ」という件があります。そしてそこで描写されている場所は実際の観光名所になっているそうです。いつかこの本から得た知識を持ってマイアミやキーラーゴに行きたいと夢見るわたしです。

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